機能性ディスペプシア とは

機能性ディスペプシア は各種検査にて症状の原因がみつからないにも関わらず、慢性的に腹痛、胃もたれなどを呈する機能的な疾患です。特徴的な症状としては 食後のおなかがはる感じ (腹部膨満感)少し食べたあとの満腹感みぞおちあたりの痛み (心窩部痛、胃痛) があげられます。しかし、実際の症状は様々で、診断・治療が難しい病態です。

症状の特徴

  • 食後のおなかがはる感じ (腹部膨満感) がある。
  • 少し食べるだけで満腹感がある。
  • みぞおちあたりの痛み (心窩部痛、胃痛)がある。
  • みぞおちあたりの灼熱感 (あつい感じ) がある。
  • 吐き気、胸やけ、げっぷ ※ 嘔吐を伴うことはまれ。

しかし、実際の症状は様々。
みぞおち・胃のあたりのおなかの症状がある場合は機能性ディスペプシアの可能性がある。

機能性ディスペプシア のイメージ画像

機能性ディスペプシア の原因

  • 原因はよくわかっていない。
  • 感染性胃腸炎後、女性、若年、不安、ライフスタイルの乱れ、などが原因の可能性がある。
  • 他にも遺伝、幼少期の虐待などの報告があるが、一定の見解は得られていない。

機能性ディスペプシア において大事なこと

  • 機能性ディスペプシアを疑う症状がある場合は医療機関を受診する。
  • 症状の原因になりうる他の疾患がないかどうか、医療機関で検査を行う。
  • ピロリ菌感染をきたしている場合はピロリ関連ディスペプシアとして取り扱う。
  • 規則正しい生活、適度な運動、食事内容の改善、禁煙等を行う。
  • 不安やストレスの原因を解消、緩和するように心がける。
  • 症状によって内服薬を使い分ける。
  • 内服薬の治療効果判定は2~8週間程度で行い、症状が軽快したかどうかで判断する。
  • いったん症状が落ち着いても再燃することもある。

機能性ディスペプシア に関して気を付けておいてほしいこと

  • 機能性ディスペプシア は各種検査にても原因がわからない時に診断がつく疾患です。まずはおなかの中に問題がないか、検査 (腹部エコーや胃カメラ など) をする必要があります。
  • 治療は生活習慣改善、食事療法、禁煙指導に加え、薬の内服治療が主になります。症状の改善には時間がかかることが多く、主治医との信頼関係構築が重要です。

機能性ディスペプシア に関して詳しくは下記をご覧ください

著者紹介:徳永竜馬 


副院長、医師、医学博士

資格

  • 日本外科学会 専門医
  • 消化器外科学会 専門医・指導医
  • 消化器病学会 専門医・指導医
  • がん治療認定医
  • 消化器内視鏡学会 専門医
  • 胃腸科専門医
  • 大腸肛門病学会 専門医
  • 認定産業医

略歴

  • 熊本市立東町小学校
  • 熊本市立桜木中学校
  • 熊本県立熊本高校
  • 広島大学医学部医学科
  • 熊本大学大学院医学教育部 (学位取得)