胃カメラ (上部消化管内視鏡検査)

上部消化管内視鏡検査 (胃カメラ) とは

上部消化管内視鏡検査 (胃カメラ)とは、舌、口腔内、咽頭、喉頭、食道、胃、十二指腸を調べる検査のことです。鼻や口から細い管状のカメラを挿入し、がんの早期発見や症状の原因を調べることができます。当院では、鎮静剤や鎮痛剤を使用することで、眠っている間に苦痛が少なくお受け頂くことが可能です。

近年では、機器の性能があがり、10分程度で検査が終了します。検査終了後に、カメラで撮った写真をみながら、症状の原因に関して詳しくご説明します。

上部消化管内視鏡検査 (胃カメラ) でわかる疾患は?

  • がん (舌癌、口腔内癌、咽頭癌、喉頭癌、食道癌、胃癌、十二指腸癌)
  • 良性腫瘍 (食道ポリープ、胃ポリープ、十二指腸ポリープ)
  • 炎症 (食道炎、胃炎、十二指腸炎)
  • 潰瘍 (胃潰瘍、十二指腸潰瘍)
  • 逆流性食道炎
  • 食道裂孔ヘルニア
  • ヘリコバクター・ピロリ感染症

など

どういう症状があるときに受けたほうがいい?

がんは早期発見、早期治療が基本です。早期の癌であれば手術を行う必要がなく、内視鏡で治療が可能なので、ものすごく重要なことです。がんの初期は自覚症状が乏しいことが多いため、症状がなくても胃癌リスクが上昇をはじめる30歳を超えたら胃内視鏡検査を受けるべきと考えています。一度うけて癌がなくヘリコバクター・ピロリ菌の感染もない場合は、5年に1回の検査をおすすめしています。

ヘリコバクター・ピロリ菌とは?

ヘリコバクター・ピロリ菌の感染があると胃癌をはじめとする胃疾患のリスクが大きく上昇します。内視鏡検査を受けて感染が疑わしい場合は詳しい検査を追加し、ピロリ菌感染の有無を確かめることもできます。ピロリ菌が確認された場合には、お薬の治療で除菌ができます。(ピロリ菌に感染している、除菌後の場合は程度に応じて1-3年に1度の検査をおすすめしています。)

咽頭癌、喉頭癌、食道癌に関しては、罹患するリスクの高い場合は2年に1度程度の検査をおすすめします。

下記の症状がある場合は、なんらかの病気が隠れている場合がありますので、検査をおすすめします。

  • みぞおちや上腹部の痛みがある方
  • 胃もたれ、胸焼け、げっぷ、むかむか、喉や胸のつかえ感がある方
  • 体重が減ってきている方
  • アルコールを摂取するとすぐに赤くなる方 (咽頭癌、喉頭癌、食道癌のリスクが高くなります)
  • タバコを吸う方
  • 血縁者で胃癌にかかった人がいる方
  • 検診や人間ドックで、異常を指摘された方、貧血を指摘された方、ピロリ菌を指摘された方
  • 30歳以上の方で今まで一度も上部消化管内視鏡検査 (胃カメラ) を受けたことがない方

など

当院における上部消化管内視鏡検査 (胃カメラ) の特徴

① 苦痛の少ない内視鏡検査

当院では苦痛を減らして楽にうけれる内視鏡検査を行っています。ひとりひとりの状況にあわせて鎮痛剤・鎮静剤を使用することによりしっかり眠った状態で内視鏡検査を受けることができます。当院で過去に検査を受けたデータがあれば、その時のご本人の状況を鑑みて、より楽に検査を受けていただけます。

② 丁寧な内視鏡検査

当院では院長および消化器内視鏡専門医が交代で内視鏡検査を行っています。これまで、膨大な数の消化器癌を取り扱い、先端的な治療および臨床研究をしてきていますので、精度については安心してお受け頂けます。

  • 最新鋭の内視鏡システム (デジタルハイビジョンで病変の描出できます)
  • NBI検査 (微小な血管を検知する装置で、早期の癌を描出可能です)
  • 拡大内視鏡検査 (病変を80倍程度に拡大し、微小構造や血管を観察することで正確な診断を行うことができます)
  • 色素内視鏡検査 (病変に色素をまくことで病変の詳しい観察、正確な診断が可能になります)

③ 感染症をおこさない安心で衛生的な内視鏡検査

当院では、必要に応じてディスポーザブル製品 (1回切りの使い捨て) を使用しております。また、内視鏡検査に使用する器具を全て超音波洗浄機とオートクレーブという機器により滅菌して使用しています。ガイドラインに沿った消毒衛生管理を徹底しておりますので、安心してお受け頂けます。

上部消化管内視鏡検査 (胃カメラ) の流れ

① 検査予約

上部消化管内視鏡検査 (胃カメラ) をご希望の場合、電話などでも検査予約が可能です。当日の朝に来院いただき検査を受けていただけます。しかし、腹痛や貧血などによる症状が強い場合には、事前に外来を受診して頂くこともあります。

② 検査前日

夕食は、夜9時までに、消化の良いものをとってください。9時以降は、お水、お茶、スポーツ飲料水など、透明なものは飲んでも構いません。

③ 検査当日

朝は食事をとらないでご来院ください。のどを潤す程度のお水は飲んでも大丈夫です。朝服用の薬がある場合はお問い合わせください。指定された時間までに来院し、診察券・同意書を提出し、受付をお願いします。

貴金属類は外して頂き、のどの麻酔を行い、ストレッチャーに横になっていただきます。鎮静剤を注射し、うとうとした状態で検査を行います (鎮静剤を希望しない場合は注射はしません)。検査自体の所要時間は10分程度ですが、組織を採る場合や状態により個人差があります。

④ 検査後

検査終了後は休んで頂き (鎮静剤を使用した方は1~2時間程度)、その後、医師より検査結果の説明があります(鎮静剤を使用しない場合は休む必要はありません)。

鎮静剤を使用した場合は、検査後の車の運転はできません。また、のどの麻酔が効いているため、検査終了後約1時間は飲食できません。使用したお薬により眠気、目のかすみ、のどの渇き等が現れる場合がありますので十分注意してお帰り下さい。

* 留意事項

  • 心臓病・前立腺肥大・緑内障などがある方はお申し出ください。
  • 検査中は空気でお腹が張りますが、検査後にもとに戻りますので心配はありません。
  • 検査後は状況に応じて休んでから帰宅していただきます。
  • もし病変が見つかれば、必要に応じて組織を採取する生検を行います。生検を行った際には検査当日はアルコールを控えてください。

費用はどれくらい?

1割負担3割負担
初診(感染症採血含む)約700円約2,000円
胃内視鏡(胃カメラ)検査のみ約2,000円約6,000円
胃内視鏡検査+病理検査約3,000~4,000円約10,000円
胃内視鏡検査+ピロリ菌検査約2,500円約7,500円

※初診料、採血代は別途必要となります。