Heart valve disease
心臓弁膜症
心臓弁膜症 とは
心臓は胸の中心やや左側に位置する臓器で、右心房、左心房、右心室、左心室の4部屋で構成されます。心臓はポンプの役割で、それぞれの部屋を隔てる心臓弁を効率よく開け閉めして、肺および全身に血液を送り出しています。
左心室は全身に血液を送り、入り口の弁は僧帽弁、出口は大動脈弁という名前がついています。右心室は肺に血液を送り、入り口の弁は三尖弁、出口は肺動脈弁といいます。
心臓弁膜症 とは、心臓弁が壊れてしまい効果的な開け閉めができなくなる病態で、弁が十分に開かなくなる病気を狭窄症、弁の閉まりが悪くなる病気を閉鎖不全症といいます。心臓弁膜症 は、自覚症状がみられたらすでに危険な状態である可能性があるので、早期発見、必要に応じた治療が重要です。内服薬などで症状の改善は期待できますが、根本的な治療としては外科手術か経カテーテル的治療が必要になります。
心臓弁膜症 の種類と頻度
- 僧帽弁閉鎖不全症 (MR:mitral regurgitation)
- 大動脈弁狭窄症 (AS:aortic stenosis)
- 大動脈弁閉鎖不全症 (AR:aortic regurgitation)
- 僧帽弁狭窄症 (MS:mitral stenosis)
三尖弁、肺動脈弁も問題になることがありますが、上記疾患が多いとされています。しかし、2つ以上の心臓弁膜症が合併 (連合弁膜症) することが多く、連合弁膜症の手術は弁膜症手術の約25%を占めると報告されています。
心臓弁膜症 の原因
- 一次性 (弁自体が原因):加齢による変性、リウマチ熱の後遺症、先天性、外傷、炎症 など。
- 二次性 (他の病気が原因):心筋梗塞、先天性心疾患、心房細動、大動脈疾患、心臓手術後 など。
心臓弁膜症 において大事なこと
- 弁膜症と言われたら、その種類と重症度が大事 (どの弁がどの程度調子が悪いか、治療が必要か)。
- 弁膜症は自然に治ることはない。心筋の障害が進行する前に治療する。
- 人によっては無症状なこともあるが、早期に治療を考慮したほうがいい場合もある。
- 弁膜症と診断されて症状がある場合は、手術もしくはカテーテル治療を検討する
- 手術もしくはカテーテル治療をすることで通常の日常生活を送れるようになる。
- 高齢との理由だけでは手術もしくはカテーテル治療を見送ることはない。
心臓弁膜症 に関して気を付けておいてほしいこと
- 全身に効率よく血液を送れなくなり、様々な症状 (動悸・息切れ・呼吸困難・胸痛など) がでます。自覚症状がみられたらすでに危険な状態である可能性があるので、気になったらできるだけ早く医療機関を受診して下さい。
- 心臓弁膜症の治療はどんどん進歩しています。各個人の疾患の状態、年齢などによって、傷口が小さな手術やカテーテル治療が選択可能な場合があります。