帯状疱疹 とは
帯状疱疹 は、体の中に潜んでいた「水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルス」が再び暴れだすことで起こります。近年、20代〜40代の若い世代でも発症が増えていますが、特に50歳を過ぎると発症率が上昇します。
分類
- 潜伏期:多くの人が子供の頃に「水ぼうそう」にかかります。治った後も、ウイルスは死滅せずに神経の奥(神経節)に隠れています。
- 再活性化:加齢、疲労、ストレス、病気などで免疫力が下がると、ウイルスが再び活動を始め、神経を伝って皮膚に出てきます。これが帯状疱疹です。

帯状疱疹 の症状 (初期症状と経過)
最大の特徴は、体の左右どちらか一方に帯(おび)状に症状が出ることです。
① 前駆期(違和感・痛み)
- 皮膚に何もできていないのに、ピリピリ、チクチクとした痛みや違和感を感じます。
- 「筋肉痛かな?」「虫刺されかな?」と勘違いしやすい時期です。
② 発疹期(赤いブツブツ)
- 痛みのある場所に、赤い斑点や小さな水ぶくれが帯状に現れます。
- 痛みは次第に強くなり、夜も眠れないほどになることもあります。
③ 回復期
- 水ぶくれが破れてかさぶたになり、通常は3週間〜1ヶ月ほどで治癒します。
大事なこと ( 大変なのは「 後遺症 」です! )
皮膚の症状が治っても、痛みが何ヶ月、時には何年も残ることがあります。これを「 帯状疱疹後神経痛 ( PHN ) 」と呼びます。
- 50歳以上で発症した人の約2割がPHNに移行すると言われています。
- 「焼けるような痛み」「電気が走るような痛み」が続き、生活の質(QOL)を大きく低下させます。
予防と治療
帯状疱疹 は「免疫力の低下」が引き金になります。予防には下記が重要です。
- 日頃から十分な睡眠と栄養をとる。
- ストレスを溜めない。
- 50歳を過ぎたら「ワクチン接種」を検討する。
また、痛みや発疹が出たら、我慢せずにできるだけ早く受診し、抗ウイルス薬を使用することが重症化を防ぐ鍵です。
帯状疱疹ワクチン とは
予防する最も有効な手段はワクチン接種です。帯状疱疹ワクチン は2種類あり、その違いを理解することも重要です。
2つのワクチンの特徴
現在使用できるのは、「生ワクチン(水痘ワクチン)」と、「不活化ワクチン(シングリックス)」です。
| 特徴 | ① 生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン) | ② 不活化ワクチン(シングリックス) |
| 基本事項 | 昔から水ぼうそうの予防に使われているワクチンです。 | ウイルスの病原性をなくした成分のみを使用するワクチンです。 |
| 発症予防効果 | 接種後1年:6割程度 接種後5年:4割程度 | 接種後1年:9割程度 接種後5年:9割程度 接種後10年:7割程度 |
| 接種回数 | 1回 | 2回(2ヶ月以上あけて接種) |
| 費用 | 比較的安価(公費:4950円) | 高価(公費1回あたり:11000円 自費1回あたり:22000円) |
| 副反応 | 少ない | 注射部位の痛み・腫れが出やすい |
| 接種対象 | 免疫が低下している方は接種不可 | 免疫の状態に関わらず接種可能 |
| 帯状疱疹後神経痛に対する予防効果(接種後3年時点) | 6割程度 | 9割以上 |
※費用は医療機関や自治体の助成有無によって異なりますので、医療機関にお尋ねください。
それぞれのメリット・デメリット
| ① 生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン) | ② 不活化ワクチン(シングリックス) | |
| メリット | 1回で終わるため、通院の負担が少ない。 | 50歳以上で97%以上という極めて高い予防効果がある。 |
| 費用が比較的安い。 | 高齢になっても効果が長続きする。 | |
| 副反応が軽度であることが多い。 | 持病があり免疫が低下している方でも接種できる。 | |
| デメリット | 予防効果が不活化ワクチンに比べて低い。 | 費用が高い。 |
| 効果の持続期間が比較的短い。 | 2回の接種が必要。 | |
| 病気治療中や免疫抑制剤を使用している方は接種できない場合がある。 | 副反応(注射部位の痛み、赤み、筋肉痛、倦怠感)が強く出やすい。 |
接種時の注意事項・副反応について
ワクチン接種後は、体内で免疫を作る反応として以下の症状が出ることがあります。
- どちらのワクチン接種でもあるもの:注射部位の痛み、腫れ、赤み、筋肉痛、頭痛、疲労感
- シングリックス:接種後の痛みや発熱。通常2〜3日で治まります
接種当日は激しい運動を避け、安静に過ごしてください。入浴は可能です。
さいごに
お住まいの自治体によっては、接種費用の助成金が出る場合があります。事前に自治体のホームページ等をご確認ください。
どちらのワクチンが適しているか迷われる場合は、お気軽にご相談下さい。
著者紹介:徳永竜馬
副院長、医師、医学博士
資格
- 日本外科学会 専門医
- 消化器外科学会 専門医・指導医
- 消化器病学会 専門医・指導医
- がん治療認定医
- 消化器内視鏡学会 専門医
- 胃腸科専門医
- 大腸肛門病学会 専門医
- 認定産業医
略歴
- 熊本市立東町小学校
- 熊本市立桜木中学校
- 熊本県立熊本高校
- 広島大学医学部医学科
- 熊本大学大学院医学教育部 (学位取得)


